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20 がんばれ!夜間学校生!


夜間学校に通っている人は、働きながらも高等学校で勉強したいという人が大半だと思います。

しかし、昼は仕事、夜は学業と忙しいため、しっかりとした食事をとれないことも多いでしょう。

そして、食事をしっかりとれない場合、栄養バランスの偏りから、発育に悪影響を及ぼす可能性もあります。

そのような事態を回避するために、日本では、夜間学校生に栄養のある食事を提供しようという趣旨の法律があります。

それが、「夜間課程を置く高等学校における学校給食に関する法律」です。

法律を専門に勉強していても、まずお目にかからない法律です。

そこで、まずは条文を見てみます。


「夜間課程を置く高等学校における学校給食に関する法律」

第1条 この法律は、勤労青年教育の重要性にかんがみ、働きながら高等学校(中等教育学校の後期課程を含む。以下同じ。)の夜間課程において学ぶ青年の身体の健全な発達に資し、あわせて国民の食生活の改善に寄与するため、夜間学校給食の実施に関し必要な事項を定め、かつ、その普及充実を図ることを目的とする。

第2条 この法律で「夜間学校給食」とは、夜間において授業を行う課程(以下「夜間課程」という。)を置く高等学校において、授業日の夕食時に、当該夜間課程において行う教育を受ける生徒に対し実施される給食をいう。

第3条 夜間課程を置く高等学校の設置者は、当該高等学校において夜間学校給食が実施されるように努めなければならない。

第4条 国及び地方公共団体は、夜間学校給食の普及と健全な発達を図るように努めなければならない。

第5条 夜間学校給食の実施に必要な施設及び設備に要する経費並びに夜間学校給食の運営に要する経費のうち政令で定めるものは、夜間課程を置く高等学校の設置者の負担とする。

2 前項に規定する経費以外の夜間学校給食に要する経費は、夜間学校給食を受ける生徒の負担とする。

第6条 国は、夜間課程を置く私立の高等学校の設置者に対し、政令で定めるところにより、予算の範囲内において、夜間学校給食の開設に必要な施設又は設備に要する経費の一部を補助することができる。

第7条 この法律に規定するもののほか、この法律の実施のため必要な手続その他の事項は、政令で定める。



この法律を見る限り、どうやら夜間高等学校の設置者は、「夜間学校給食が実施されるように努めなければならない」と定められています。

この「努めなければならない」は、要注意の法律用語です。

これは「〜しなければならない」というほど強い強制力がなく、むしろ、裁判実務上は、ほとんど義務を負っていないものとして扱われます。

しかしながら、家庭の事情、経済的事情などで昼間は学校には通えないため、夜間高等学校に通わざるを得ない勤労学生については、国家が特に栄養状態に配慮をしなさい、給食を提供するよう務めなさい、という法を定めた点には意味があります。

この給食提供の努力義務は、全日制の高等学校には課せられておらず、夜間高等学校に対してのみ、特に課せられている義務なのです。

全日制の高校で昼間勉強している学生よりも、夜間高校で勉強している学生の方を、より強く支援する法律なのです。


最近の政治を見ると、果たして国民のことを考えた立法がなされているのかはなはだ疑問に思うことも少なくないのですが、昭和の政治家は、この法律のように、生まれてきた環境や個人の事情に配慮した、暖かい、血の通った法律を制定することも少なくありませんでした。

夜間学校に通っている勤労学生には、国もエールを送っていたのです。

今後もこのような、暖かい、個別の事情を酌んだ立法がなされることが望まれます。




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