株式会社の役員重任登記の日付は、任期満了日か、それともその翌日か。めったに商業登記をやらない事務所さんの場合は、深く考え込むとどっちだかわからなくなるかもですね。受験時代の方がささっと反射的に正解にたどりつけるのかもしれません。
29 株式会社の役員重任登記と日付
重任とは、任期満了退任と、再任の間に時間的な途切れがない場合に、任期満了退任→再任と二つの登記を入れることなく、重任とすることでいっぺんに二つの登記を済ませるテクニック?です。
通常は定時株主総会の終了と同時に任期満了するケースがほとんどで、その日から新たな任期が途切れなく始まることが多いでしょう。
さて、その重任登記の場合は、任期満了日を登記するのか、その翌日で登記するのかちょっと悩んだりしませんか。
任期満了→再任の場合は、任期の起算点は当然ながら、新たに選任された日からとなりますが、登記される年月日は任期の起算点たる選任日ではなく、就任承諾日となります(任期の起算点と登記される日付は異なる概念)。
会社の登記簿には、必ずしも任期の起算点が登記されているのではなく(多くの場合は選任と同時に即時就任なので任期の起算点は登記されがちですが、厳密にはそのような理解では不正確)、取締役として就任承諾し、委任契約が効力を開始した時点が登記されることとなります(責任や権限の起算点を公示すべきだから。したがって登記される日付は年月日選任ではなく、年月日就任となる)。
そして重任の場合は、任期が満了した日付が登記原因年月日となります(多くの場合、定時総会の終了日でしょう。総会が終了した直後から新たな任期が始まる)。
総会も多くの場合、開催日と終了日は同日ですから、例えば、平成28年6月30日の定時総会で任期満了する取締役を再び取締役として選任した場合は、平成28年6月30日重任となります。
ぼんやりと、総会が終わった翌日から任期が再スタートするみたいに考えてると、平成28年7月1日重任としてしまわないでもないですが、総会が終わったのが例えば平成28年6月30日の15時ジャストであれば、平成28年6月30日の15時1秒から新たな任期が切れ目なく始まっているのであり、退任日と新たな任期のスタートが同日であるのが重任なのです。
しかしながら、総会終了時までに就任承諾が得られてない場合は、いったん任期が総会終了時で切れて、就任承諾がされるまでの間、取締役として在任していないこととなるので、この場合は重任登記はできないこととなるでしょう。
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