42 外国人の株式会社設立と出資金の払込銀行口座
平成27年3月16日民商第29号通知により、代表取締役のうち最低でも1名は日本在住者でないと株式会社は作れないという運用は撤廃されています。
しかしながら、発起人もしくは取締役が日本に銀行口座を持っていない場合は、この当時の運用では株式会社を設立することはできませんでした。
そこで、外国人の会社設立の利便性を高めるべく、通達の改定が行われました。
平成29年3月17日民商第41号通達によって、取締役、代表取締役、発起人のいずれも日本に住所及び銀行口座を持っていない外国人のみが株式会社を設立する場合は、特例として、取締役でも発起人でもない、会社にとって完全に赤の他人に過ぎない、日本に銀行口座を持つ出資の受け入れだけの設立協力者の口座にて出資の振り込みが可能となりました。
それ以前の運用では、協力者を取締役に入れたり、出資を1円だけしてもらうか、あるいは口座の写しの添付が不要な合同会社を設立するなどして対応していました。
この新たな運用は、日本に住所をもつ者が発起人もしくは取締役に含まれる場合は従前通り使えませんので、どんな案件でもとりあえず赤の他人の銀行口座で出資の受け入れをしてしまえ、っというわけにはいかない点に注意です。
以下、法務省の説明ページ引用
預金通帳の口座名義人について
<預金通帳の口座名義人として認められる者>
1 発起人
2 設立時取締役 ※4
※ 設立時取締役が預金通帳の口座名義人になる場合において,払込みがあったことを証する書面として預金通帳の写しを添付するときは,
「発起人が設立時取締役に対して払込金の受領権限を委任したことを明らかにする書面(委任状)」を併せて添付する必要があります。
<特例>発起人及び設立時取締役の全員が日本国内に住所を有していない場合
- この場合に限り,発起人及び設立時取締役以外の者(自然人に限られず,法人も含みます。以下「第三者」といいます。)であっても,預金通帳の口座名義人として認められます(平成29年3月17日民商第41号通達)。
- この際に,払込みがあったことを証する書面として,第三者が口座名義人である預金通帳の写しを添付する場合には,「発起人が第三者に対して払込金の受領権限を委任したことを明らかにする書面(委任状)」を併せて添付する必要があります。
※発起人からの「払込金の受領権限の委任」は,発起人のうち1人からの委任があれば足りるものとされていますので,発起人全員又は発起人の過半数で決する必要はありません。
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