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おもしろ法律道 債務整理の横道 ―司法書士の独り言―


16 クーリングオフ期間(8日間)を過ぎてしまったのに返品できる? 悪質販売員


人吉(ひとよし)さんは、強引に迫られるとNOといえない性格です。

ある休日、人吉さんが家でゆっくりテレビを見ていると、電話が鳴りました。

人吉さんが電話に出てみると、ちょうど今テレビで放映していた「ローヤルゼリー・ザ・グレート・ミカン味」の販売の電話でした。

人吉さんは、ちょうど今テレビでみていたこともあり、販売員の話に興味を持ちました。

販売員
「私は、口馬商事株式会社の押売(おしうり)と申します。本日は人吉様に朗報でございます。
なんと、人吉様には特別に、現在テレビ放映で好評をいただいている<ローヤルゼリー・ザ・グレート・ミカン味>の他に、<ローヤルゼリー・ザ・グレート・リンゴ味>も割引購入していただけます。
これを10日間飲み続けたら曲がった腰はピッキーン!お肌もピッカピカ!活力100万馬力です!しかもお値段たった20万円です!!」

人吉さん
「けっこうお高いんですねえ」

押売
「いやいや。今後一切病院に行かないで済むと思えば、20万円は安い買い物です。うちの亡くなった母にも…飲ませてあげたかった…ぐすぐす…」

人吉さん
「つらい思いをしたんですね…ぐすぐす…。…私、買います」

押売
「ありがとうございます。もしよろしければ、お母様やお父様にもどうですか?」

人吉さん
「それじゃあお願いします」

押売
「どうもありがとうございます。代金は親孝行キャンペーン価格として、値引きをさせていただきます。<ローヤルゼリー・ザ・グレート・ミカン味、リンゴ味セット>を2つで、合計30万円です。2日ほどでお届けできるかと思います。また、ご利用ください」

そういって押売は電話を切りました。

人吉さんは、商品が届くのを楽しみに待っていました。

そして、2日後、商品が届き、人吉さんはまずは10日間試すことにしました。

しかし、10日飲んでも一向に体調は良くならず、人吉さんは30万円もしたのに全く効果がないことを不審に思い、口馬商事に返品を要求することにしました。

人吉さん
「あの、10日ほど前に買った<ローヤルゼリー・ザ・グレート・ミカン味>が、全く効果がないので、返品をしたいのですが…」

口馬商事
「申し訳ありません。体調が良くなるかどうかは、個人差がありますので…また、お届け日から8日が経過していますので、当商品のクーリングオフ期間は既に切れております」

人吉さん
「そうですかぁ…返品はできないのですね…わかりました…」

口馬商事
「申し訳ありません。しかし、お客様。効果が実感できないようであれば、<タウリン・ボンバー・Vナイン>のほうはいかかでしょうか?こちらは………………」



…人吉さんは、返品をしようとした電話で、またしても謎の健康食品を買わされてしまったのです。

さて、こんなだまされやすい?人吉さんは法的に保護されることはないのでしょうか。



実は8日間過ぎてもクーリングオフできる場合がある

電話勧誘により契約にいたった場合は、「法律上の要件をすべて満たした契約書」を渡してから8日間は契約の撤回(クーリングオフ)ができると定められています(特定商取引法第9条:条文は複雑なので、参考資料として最下段に記載します)。

つまり、単純に8日過ぎていても、販売業者が消費者に交付した契約書に不備があれば、依然として返品(クーリングオフ)ができることになります。

そこで、契約書に記載しなければならない事項を確認します。

@商品名
A製造者名
B商品の型式・種類
C商品の販売価格
D代金の支払時期
E代金の支払い方法
F売主(事業者)の名称・住所・代表者名
G販売担当者の苗字と名前
H契約の申し込み年月日
I契約の締結日
Jクーリングオフができる旨の説明文(赤い枠の中に赤い字で、大きさ8ポイント以上の字で記載しなければ無効)
Kその他特約があれば、その特約事項



これらの事項が記載されていない場合は、一般的なクーリングオフ(返品)期間である8日を越えてクーリングオフ(返品)ができます。

そのため、今回の人吉さんの件では、まずは契約書の内容に不備がないか(特に、クーリングオフができる旨の説明が、赤い枠内に、赤い字で書かれているか否かは要チェック)を確認し、それでも不備が見つからない場合は、販売員の勧誘文句通りの効果が無い不良品として、契約違反(債務不履行)として、解約・返金を主張するという解決方法が考えられます。


悪質商法に引っかかった場合、業者はクーリングオフ期間は過ぎたなどと主張してくることがありますが、実際にはクーリングオフ期間が過ぎても解約・返金を主張できる場合もあるので、迷わず弁護士・司法書士といった専門家に相談しましょう。

参考条文 特定商取引に関する法律
(とても読みづらいので、赤字部分のみをつなげて読むとややわかりやすいと思います。青文字部分がクーリングオフができなくなる場合です)

第九条  販売業者若しくは役務提供事業者が営業所等以外の場所において指定商品(その販売条件についての交渉が販売業者と購入者との間で相当の期間にわたり行われることが通常の取引の態様である商品として政令で定める指定商品を除く。以下この項において同じ。)若しくは指定権利若しくは指定役務につき売買契約若しくは役務提供契約の申込みを受けた場合若しくは販売業者若しくは役務提供事業者が営業所等において特定顧客から指定商品若しくは指定権利若しくは指定役務につき売買契約若しくは役務提供契約の申込みを受けた場合におけるその申込みをした者又は販売業者若しくは役務提供事業者が営業所等以外の場所において指定商品若しくは指定権利若しくは指定役務につき売買契約若しくは役務提供契約を締結した場合(営業所等において申込みを受け、営業所等以外の場所において売買契約又は役務提供契約を締結した場合を除く。)若しくは販売業者若しくは役務提供事業者が営業所等において特定顧客と指定商品若しくは指定権利若しくは指定役務につき売買契約若しくは役務提供契約を締結した場合におけるその購入者若しくは役務の提供を受ける者(以下この条及び次条において「申込者等」という。)は、次に掲げる場合を除き、書面によりその売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回又はその売買契約若しくは役務提供契約の解除(以下この条において「申込みの撤回等」という。)を行うことができる。
 申込者等が第五条の書面を受領した日(その日前に第四条の書面を受領した場合にあつては、その書面を受領した日)から起算して八日を経過したとき。ただし、申込者等が、販売業者若しくは役務提供事業者が第六条第一項の規定に違反して申込みの撤回等に関する事項につき不実のことを告げる行為をしたことにより当該告げられた内容が事実であるとの誤認をし、又は販売業者若しくは役務提供事業者が同条第三項の規定に違反して威迫したことにより困惑し、これらによつて当該期間を経過するまでに申込みの撤回等を行わなかつた場合には、当該申込者等が、当該販売業者又は当該役務提供事業者が経済産業省令で定めるところにより当該売買契約又は当該役務提供契約の申込みの撤回等を行うことができる旨を記載して交付した書面を受領した日から起算して八日を経過したとき。
 申込者等が第四条又は第五条の書面を受領した場合において、指定商品でその使用若しくは一部の消費により価額が著しく減少するおそれがある商品として政令で定めるものを使用し又はその全部若しくは一部を消費したとき(当該販売業者が当該申込者等に当該商品を使用させ、又はその全部若しくは一部を消費させた場合を除く。)。
 第五条第二項に規定する場合において、当該売買契約に係る指定商品若しくは指定権利の代金又は当該役務提供契約に係る指定役務の対価の総額が政令で定める金額に満たないとき。


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